ママエッセイ

母親っていうのは、そんな存在だ。

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1年生になった息子を今朝も叱った。
はじめての夏休み。保育園のように給食はないから、朝からお弁当を作る。彼に学童に行ってもらわなくては母は仕事が出来ないのだ。

子離れの時

それなのに、朝起きてきたと思ったら息子は顔も洗わずボーッとソファに座り、声をかけられてやっと動き出したかと思えば、こちらが早起きして作った弁当をきちんと蓋も閉めずにリュックに放り込もうとする。彼に悪気はないのだ。

起きたてでも食べやすいようにと作ったサンドイッチも今朝は気分ではなかったようで、半分も食べずに席を立った、と思えば布団にゴロゴロしに戻っている。

いい加減に堪忍袋の緒が切れ、大きな声をだして出かける支度を急き立てた。ようやく学童まで送っていく。その道すがら、話をした。

朝は早く起きるんだよ、次の日の準備は寝る前に終わらせておくんだよ。学童で宿題をやるんだよ、夏休みおわりに苦労するよ。お友達と仲良くするんだよ。

口うるさくなってしまったかもしれないが、大切なこと、必要なことだ。

うん、うん。と、心ここにあらずな様子で返事をする息子。どうしたの、と聞けば今日は土曜日で、来るお友達が少ないから帰りはお迎えに来てほしいと言う。仕事が終わってから、間に合うだろうか。下の子の保育園のお迎え時間を考えながら、いくつかのスケジュールを組み替える。

分かった。迎えにいくから、待っててというと、わかった。と、幼い顔で返してくる。

そうやっているうちに学童につくと、玄関のところで保育園から仲良しの友達をみつけた。

瞬間、息子の顔色がパアッと輝く。あっという間に少年の顔になり、おーいっ!と大きな声を上げながら友達のところに駆け寄っていく。

さっきまで隣にいたわたしの事なんて、もう振り向きもしやしない。

友達と会えて、ぼく、嬉しいです!とでっかく顔に書いてある。満面の笑みで友達とじゃれ合う息子をみて、嬉しい…はず、安心したはず。
なのに、なんだかわたしは面食らってしまった。
それは世界から突然切り離されたような感覚で、
ハッキリ言って寂しかった。

もう息子には届かない行ってらっしゃいを、口の中でもごもごと咀嚼して仕事に向かう。

…そうだよねぇ、口うるさくなんか、言われたくないよね。

横断歩道を渡りながら、思わず独り言がでた。

うるさく言うガミガミ母さんにより、一緒になってキャッキャと笑ってくれるお友達の方に百点の笑顔をむけるに決まっている。

わたしだって子どものころ、宿題しなさい、片付けなさいと口うるさい母に、いちいち言わないで欲しいと思っていた。

わたしなりに夢中になっている遊びや、友達付き合いだってあった。母の知らないところでこそ、傷ついたり喜んだりして、学んでいった。

息子だって、おんなじだ。母の前でみせるだらしのない、いつまでも甘えたなこどもの姿ばかりじゃない。
お友達とうまく関わりあえるかな、と心配して公園で名も知らぬ母同士、子供の距離感を探り探り一挙一動に目を光らせていた時とはもう違う。

そうして思い返す、子どもの頃のわたしは、どう思っていただろう。

いつだって帰れば家はいつも通りあって、ご飯は勝手にでてきたし、お風呂はあたたかかったし、布団はフカフカだった。
そういうものが当たり前で、用意してくれている人のことなんて、考えていなかった。

自分の母への感謝と尊敬

こうなると、今更だけど30年越しの感謝をしよう、と母に電話をかけたくなる。そんな突然の娘からの電話を受けた時、うちの母は「お母さんは、お家にいたからねぇ」となんでもないことのように返してくる。

でもそれは違うと思う。

働いていたって、専業主婦だって関係ない。
家を整え、家族のためと細やかに声をかけ、清潔を保とうと洗濯物を回し、お腹を空かせて帰ってくるからと、せっせと冷蔵庫の中身をみたしてくれていた母はすごかった。

そのおかげで、わたしはいつだってなんの心配もせずに大いに泣いて笑ってわがままを言って、おもちゃを広げっぱなしで寝て、次の日怒る母にうるさいなぁと思えていたのだから。

家族のために環境を、暮らしを整える人を、
私は尊敬する。

母親である自分へのご褒美

▶︎▷
仕事にむかう途中、寄り道したコンビニでカフェラテを買った。そういえば、自分の朝ごはんもまだだった。疎かになった自分のエネルギー源を今日はちょっといいやつにする。
チョコレートでコーティングされた甘いパンを頬張ると、気持ちも多少ほぐれてくる。
息子のあの弾けんばかりの笑い顔は、わたしの母しごとの立派な成果なのだと、ひとり結論付けた。

さて今日も頑張ろうか、お迎えまでのタイムリミットはもうスタートを切っている。

子どもが健やかに大きくなることを。願って叱って面食らって、小さなご褒美で自分を労う。

母親っていうのはそんな存在だ。

寄稿:イソカカさん 

イソカカさんのインスタこちら

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【きのう野菜食べた?】イソカカ
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🌿家族で玄米と野菜の朝ごはんカフェやってます(京都)
🌿よく食べる3人のママ(1歳/4歳/7歳)
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