登場人物
シドニー在住 3人の子育て中のママ
ロンドン在住 3人の子育て中のママ
リン☆だあく さん:山形在住 成人した娘さんと高校生の息子さんの子育て中のパパ
奥様の単身赴任により10年ほどワンオペ育児を経験
ゲストトーク!
今日は男性の育児参加について、ゲストにりんさんを迎えトークしていきたいと思います。
海外の育児事情
男性の育児参加、海外はどうなんですか?
オーストラリアは色んな人がいるので一概には言えず、出身国によって違いますね。アジアの方はやはり日本と似ていますが、ここで育ったアジア人は欧米寄りで、男性も家事育児をやっていますね。それでもママ側からはもっとやってほしいと言う不満は聞きます。私から見たら充分やっていると思うんですけどね(笑)
育児と仕事の両立
育ってきた環境や状況によるところが大きいんですね。私も自分の母親が亡くなっていなかったらこんなに育児しなかったと思います。男性が育児するといっても結局はおばあちゃんにお願いしたりするじゃないですか。私の母は子供が生まれる一年前に亡くなったので。誰も頼れないから自分でやるしかなかった。フルタイムで働いていましたが、絶対残業できない体になりましたよ。
お仕事は何されていたんですか?
印刷会社でサラリーマンをしていました。私しか扱えない機械だったので、同僚に頼めず夜に出社することもありました。
育児と掛け持ちで、職場でのあたりがきつくなかったですか?
そういうキャラになっていましたね。帰るキャラに。ちょっと鋼の心を持つ必要がありますが、そうならざるを得ないですね。学童が休みで子供を会社に連れて行ったこともあります。大変でした。だからいつも有給を使い切っていました。子供がインフルエンザになった時はさすがに妻を単身赴任先から呼びましたね。それに妻が毎週末帰ってきてくれるのは救いでした。
妻の単身赴任
奥様は子育てに対してどういう姿勢だったのですか?
もう、お願いしますと言う感じでした。キャリアを形成したかったようで。突然、「私、単身赴任するから」と言うので、「あ、、はい、分りました」と言う感じでした。
結婚前に子育てやキャリア形成について話し合った事はありましたか?
いえ全く。こういう人生が待っているとは思いませんでした。だから子供には早く自立してほしいと常に考えていました。とりあえずご飯と味噌汁を自分で作れるようになれば何とかなるかなと。あとは目玉焼きでタンパク質を…と。
車で2時間ほどの距離なら、奥様に一緒について行くという選択は考えなかったのですか?
ちょうど新築で家を建てたところだったので笑。息子も小学生になったタイミングでしたし、あまり新しい環境はどうかな…と。
なるほど、学校は大きいですよね。
子育てで得たこと
逆に育児経験を経て、仕事に最も活かされているのは何ですか?
やっぱり省力化ですね。無駄を見つけやすくなりました。
スケジュール管理とかは上手くなりますよね(笑)
私メモ魔で、何でもメモしてます。保育園で測ってきた子供の体重とかメモしておくと、薬局ですぐ答えられます。母子手帳をしっかり書いておくと育児を夫婦で共有しやすいですよ。予防接種もしっかり書いてあるし、あれは優れものです。
オーストラリアの洪水被害
話がそれますが、予防接種と言えば、今オーストラリアで100年に一度の大洪水があって。水が引いた後に蚊が大量発生したため、日本脳炎が流行っているんです。こちらの子は予防接種を受けていないので心配なんですよね。でも自己負担で受けると3~4万円くらい…。
3人だと10万円近く
しかも2回接種です!日本に帰国できる金額…。帰りたい(笑)
ロンドンでの育児
ようこさんの旦那様はロンドンに行って育児への姿勢は変わりましたか?
コロナで完全に在宅勤務になったので、大きく変わりました。でも今月からまた週3回の出社を会社から命じられたらしく、宴席も多いし、元に戻りつつあります。晩御飯を一緒に食べるのかどうなのか、分からない日が増えました。
それ困りますよね(笑)
学校の送迎とか留守番とか助かっていたんですけどね。
送迎がなかったらすごく楽ですよね
日本の通学班
日本には通学班がありますよね。
あれは便利です!ただ私が子供のころ田舎だったので学校まで30分ほど歩いて通っていましたが、いじわるな先輩がいて、道中辛いこともありました。子供ながらに。
私も田舎なので分かります。親にとってはありがたいシステムなんですけどね。
日本の子がひとりで電車通学するのはすごいですよね。オーストラリアのママからすると衝撃のようです。
(サロンメンバーの)しよりん曰く、私立にはお姉さん制度があるそうですね。(上級生は下級生の登校などの面倒を見るという暗黙のルール)自立心が素晴らしいです。
リン☆だあくの当時の話
りんさんは実家は近かったのですか?
母は他界し、父はアルコール依存症でしたので、助けてもらったと言えば母方の叔母ですね。預けてお昼寝させてもらったことがあります。一番煮詰まったのは、妻がまだ同居していて、夜勤の仕事があったときですね。赤ちゃんだった娘を寝かしつけるのとか大変でした。
夜ドライブするって言ってましたよね
夜中に飲酒運転取り締まりとかやってるじゃないですか。起こすんですよね(怒)。しかも夜中に赤ちゃん連れてて怪しいので必ず職質されるんですよ(笑)。だからなのか、子供たちは大きくなっても車乗ったらすぐ寝ます
自分の子ではなくても愛せるか?
娘さんがパートナーを連れてきたら、やっぱりパパママは平等に育児できると期待しますか?
やるのは当然だよね。という空気感は出すかもしれないです(笑)。でもその方がパパも楽しいですよ。小さい頃の感触を覚えているのとか大事です。子育てできる時期は限られているんですから。
イギリスには私生児も多く(イギリス約50%、日本約2.3%)、日本では婚外子や養子が一般的ではない状況です。りんさんにとって”夫だから””家族だから”という意識は関係ありましたか?
うちで生まれた子だから育てました。自分の子でなかったら…というのは経験してみないと分からないですね。タレントのユージさんが既に子供のいる女性と結婚しパパになっていましたが、あんな風に先に信頼関係が出来ているといいのかもしれません。私の経験からすると、父親というのは後天的に育児のスイッチが入るので、血のつながりがなくても、自分のことを頼ってくれていると実感すれば愛情が芽生えると思っています。
教育事情
教育に関してはどうですか?熱心な方ですか?
全然。そんなことしていたら回っていない。宿題をやらなくて先生に叱られるのは子供です。
以前他の子の宿題をたまたま見たら、めちゃめちゃキレイにやってあって!明らかに親が手伝っていると思うんですよね。うちなんて…先生からすると「この親なんもしてないな」と思われているのではないかと(笑)
私は気にしなかったですね。娘はしばらく成績が良くなかったんです。そしたらある日「ナルコレプシー※」という病気だと分かったんです。※突然眠くなってしまう病気
その治療をしてから成績が学年トップクラスに上がりました。勉強の世話はしていません。
それはりんさんが気付いたんですか?
妻ですね。あまりにも眠たがりやだったので。私はただの寝不足ではないかと思っていたんですが、検査したらやはりそういう脳波だったようです。治療所を見つけるのは困難でしたが、治療を始めると、授業中に眠くならず集中できるようになったみたいです。一方で息子はADHDなので、夏休みの宿題など具体的に計画を立ててあげました。
ようこさんは教育に手をかけていますか?
長男が日本語の補修校に通っていると、他の子はこのくらいできるんだ…と思い知る瞬間が多いように思います。国語が主なので、宿題を紙ベースで提出することが多く、その作文が教室に貼られたり配られたりするんです。この子は出来てる出来てないと思い知るシーンが多いなと思います。「え!この文章をあの子が?!」って。比べられてる感を親の方が感じて、プレッシャーですね。作文とか手伝っちゃいます。
やだーって嫌がるんですか?
いやもう、そんなレベルではないですね。その10倍嫌がるので、まずそれを落ち着かせるのに精一杯です(泣)
オーストラリアの算数の進め方って、浅く広ーくやるんですね。8才でも割合とかどんどん進むから、足し算とかの基礎がまだ出来ていないのに大丈夫かな??て心配で。
確かに。算数にしてもサッカーにしても、学校では練習試合しかしない感じですよね。練習は家でしてきてね。みたいな(笑)。それは少し心配で家で計算問題やらせてます。
うちの妻も手を出すタイプですね
りんさんは教えたりしないんですか?
育児の2つの柱
教えられるほど私が賢くなかった(笑)。私が教えられるのは、自分が人生を楽しんでいるということだけ
かっこいい(笑)。一番難しいところじゃないですかソレ
子育てにはふたつの柱があると思っていて。まず「自立させること」それと「この世が生きるに値すると身をもって教えること」です。だから親が楽しむこと!子供に勉強させたいならまず親がすること!
子供に見せるもの
耳が痛いです(笑)。例えばニュースを見るにしても、スマホだと親が何をしているのか子供に伝わりづらいですよね。子供にニュースを見せていないなと反省しているところです。
あっちゃんのYoutube大学とか、動画で世界史を学んだりするとニュースが面白くなるそうですよ。
今どきの動画はハイレベルですからね。そういえばNetflixなどの動画がない時代の子育てというのはどうしていたんですか?あれがなかったらしんどいです。
スカパー契約してましたね。アニメをずっと流すチャンネルがあったんです。あとはビデオをレンタルしていました。
育児で大変だったこと
りんさんはもう育児本出せるレベルですね。何が一番大変だったと思いますか?
寝かしつけと、あと献立ですね。あれは、お買い物に始まり、仕事中も考えてしまう絶え間ないタスクだと思います。
料理と言わずに献立、というあたりがもう、ほんとによく分かってらっしゃる(笑)。シッターさんを雇ったりはしなかったんですか?
あまりそういう文化が発達してなかったですね。パパだからそういう情報が入ってこなかったのかも。ママサークルには入りづらいですからね。でも学童があったのは助かりました。それに小4くらいからスマホも持たせていました。同じIDを使えば検索履歴なども分かるので安心でした。
当時からすると早いですね。もし、子供が学校に行きたくないと言ったらどうしたらいいと思いますか?子供を家にひとり残すことになりますが。
ありましたよ。息子が1か月くらい不登校になりました。無理に行かせても逃げてしまうのが恐かったので、お弁当だけ作って家にいてもらいました。それである日「明日から行く」と言いました。理由は未だにハッキリ分かりませんが。
育児中のパパママに伝えたい事
りんさんの心って、深海のように深いですね…。最後に、育児中のパパママに伝えたいことはありますか?
うそでもいいから夫婦でスキスキ言い合うといいと思います。家庭が平和になります。良好な夫婦関係構築が一番かなと。あと、パパは一日、完全にひとりで子供の面倒を見てみるといいと思います。ママも任せてみるといいですよ。そのうちにパパと子供が仲良くなるから。
そうですね。しかも子供がパパを好きになるにはまず、ママがパパを好きでないと難しいですよね
欧米では娘がパパのことをあまり嫌いにならないと言いますよね。実際、大きくなってもパパの膝の上に座ってるのを見てビックリしました。夫婦仲の良さが影響しているのではと言われていますが。
一番よくないのはパパの悪口を言うことですよね。娘は聞き役になってくれるのでつい言ってしまいがちです。
長くなってしまいました。実は今日、すっごい疲れてる中子供たちの夕飯作ったら、子供たちが「えーっ」て言うのでもうカチーンときて、イラっとしたら手が滑ってお皿を落としてしまって…。「せっかく作ったのにーーー!」て泣きました(笑)。「もうやだ…作りたくない…」て。
ええぇーーーー。はるかさん大丈夫ですか?
疲れてるときいい言葉あります。「今日は、コンビニパーティーしよう!」です。「牛丼パーティーだよ」とか「今日は、ハンバーグ祭りだ!」とか。
ネーミング重要ですね
お菓子食べながら映画を見る「のんびりパーティー」すると、むしろ寝つきが良かった気がします。それは私がのんびりしたくてやっていたんですが(笑)、おススメです。
はるかさん、明日さっそくのんびりパーティーしなくちゃ
そうですね…。もう、あの床に散らばったごはんが脳裏から離れなくて…。
何か宗教で「地面の神様にあげたと思え」という言葉がありますよ。
それイイ!うちマンションですが(笑)。運が付いたと思うことにします。
ようこ:今日はありがとうございました。